用途地域 (1)

積極的規制・消極的規制

現在の都市計画法においては、用途地域は12の区域に分かれています。不動産を知る上でも最も重要な項目な一つであり、この用途地域によって建築物の用途が制限されています。

用途地域については、ご存知の方も多いと思われますので、ここでは建築基準法が定める用途の制限が、積極的な規制のものと消極的な規制のものが混在していることをお伝えしたいと思います。

12の用途地域のうち、第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・第一種中高層住居専用地域の3つの用途地域は積極的規制であり、その他の9つの用途地域は消極的な規制となっています。すなわち、積極的な用途規制をおこなっている3つの用途地域においては、定められた用途のみ建築することが可能であり、消極的な規制を行っている残りの9つの用途地域においては、定められた用途以外の建築が可能となっています。

第一種低層住居専用地域でも商業地域でも住宅を建築することができますが、それは、第一種低層住居専用地域で住宅は住宅等しか建築できないのであり、一方、商業地域で住宅が建築できるのは、危険性の高い工場といった商業地域で建築できない用途に該当しないからなのです。

法律上の定義は下記のとおり。

第一種低層住居専用地域 低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
第二種低層住居専用地域 主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
第一種中高層住居専用地域 中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
第二種中高層住居専用地域 主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
第一種住居地域 住居の環境を保護するため定める地域
第二種住居地域 主として住居の環境を保護するため定める地域
準住居地域 道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域
近隣商業地域 近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域
商業地域 主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域
準工業地域 主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域
工業地域 主として工業の利便を増進するため定める地域
工業専用地域 工業の利便を増進するため定める地域