15.公有地の拡大の推進に関する法律

概要

公有地の拡大の推進に関する法律は、地方公共団体等が道路等の公共施設などの整備に必要な土地の取得を容易にするために、一定の場合に届出等を必要としているものです。ミスのない取引においては必須ですが、公拡法の正しい理解は意外に難易度が高く、適用案件の減少、近年の権限移譲などの流れもあり、担当している市などからの明確な回答を得るのに時間を要する場合があります。

 

制限の内容

一定の土地を含む場合の届出義務

次に掲げる土地が含まれる土地取引で、土地の面積が200㎡※以上のものを有償で譲渡しようとする場合、譲渡しようとする日の3週間前までにそのことを「土地有償譲渡届出書」により知事等に届け出る必要があります。なお、この面積は条例で別に定めることができます。また、この面積は、取引全体の面積を意味しており、都市計画施設等に抵触している面積ではありません。

都市計画施設等の区域内に所在する土地

都市計画区域の内外を問わず、都市計画施設等の予定区域に所在する土地で、200㎡※以上の場合は対象となります。

都市計画区域内で次の土地を含むもの

都市計画区域内に所在する土地で、下記の区域を含む200㎡※以上の場合は対象となります。

・道路法により道路の区域として決定された土地
・都市公園法により都市公園を設置すべき区域として決定された土地
・河川法により河川予定地として指定された土地
・文化財保護法による指定された史跡、名勝又は天然記念物にかかる地域内の土地
・港湾法で港湾施設の区域として定められた土地
・航空法で飛行場の区域として定められた土地
・高速自動車国道法で高速自動車国道の区域として定められた土地
・全国新幹線鉄道整備法で行為制限区域として定められた土地
・生産緑地の区域内の土地

・土地区画整理促進区域を定めている土地区画整理事業の区域のうち、指定・公告されている土地
(土地区画整理事業は換地方式であり、通常、公共用地は減歩によって捻出するため公的施行であっても土地の買収は行いませんが、事業の円滑化等のために土地の先買いを行っている場合があります。)

・住宅街区整備事業の施行区域内

土地の面積が大きい場合の届出義務

上記に該当しない場合であっても、都市計画区域内で土地の規模が一定規模以上の場合においては、譲渡しようとする日の3週間前までにそのことを「土地有償譲渡届出書」により知事等に届出が必要です。

・市街化区域              5,000㎡以上
・市街化調整区域以外の都市計画区域内 10,000㎡以上

 

届出をした土地の譲渡の制限

届出をした土地については、一定期間譲渡が制限されます。

1 届出をした日から起算して3週間を経過する日まで。(買取を希望しない旨の通知があった場合はその日まで。)
2 買取希望がある旨の通知があった場合は、通知があった日から起算して3週間を経過する日まで。(買取の協議が成立しないことが明らかになった場合は、その時まで。)

 

届出不要の土地について

・取引の相手方が国や地方公共団体等の場合
・文化財保護法に基づく重要文化財のある土地(別途文化財保護法の手続きが必要です)
・都市計画施設に関する事業、収用対象事業等に使うために譲渡される土地
・都市計画法の開発許可を受けた開発区域内の土地
・都市計画法による先買いの対象になっている土地
・届出・申出をして、地方公共団体と協議が成立しなかった土地について、譲渡制限期間が経過してから1年以内に同一所有者が有償譲渡する場合
・国土利用計画法に基づく規制区域内の土地
・国土利用計画法に基づき注視・監視区域についての届出をした土地
・マンションの敷地権の一部
・信託受益権売買のみの場合

 

開発許可を受けた土地について

公拡法上、都市計画法の開発許可を受けた開発区域について有償譲渡の事前届出が不要となっています。しかし、一部の自治体において、「この条文は、開発許可から完了公告までの間を意味しており、過去に完了公告を受けている開発許可については届出が必要である」との取扱いをしている場合があります。したがって、調査に当たっては各自治体の考え方を確認する必要があります。