3.古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法
概要
高度成長期において、京都タワーや奈良のドライブウェイ、鎌倉鶴岡八幡宮の裏の宅地開発などを契機として、議員立法により成立。歴史的に意義のある社寺仏閣や遺跡のみならず、一体となる自然環境をも含めて歴史的風土として捉え保護するもの。国土交通大臣が古都において歴史的風土保存地区および歴史的風土保存計画を決定する。また、歴史的風土特別保存地区は、歴史的風土保存地区内において都市計画で決定され、厳しい建築制限等が課されています。
なお、奈良県明日香村については全域が歴史的風土特別保存地区に相当する位置づけとなっており、都市計画において第一種歴史的風土保存地区と第二種歴史的風土保存地区が定められています。
薬師寺歴史的風土特別保存地区・奈良県奈良市
重説記載事項
・歴史的風土特別保存地区内における行為の制限 (第8条第1項)
特別保存地区内においては、歴史的風土の保存に影響を及ぼすおそれのある次の行為は、府県知事の許可が必要です。
① 建築物その他の工作物の新築、改築又は増築
② 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更
③ 木竹の伐採
④ 土石の類の採取
⑤ 建築物その他の工作物の色彩の変更
⑥ 屋外広告物の表示又は掲出
⑦ 水面の埋立て又は干拓(政令)
⑧ 屋外における土石、廃棄物、再生資源の堆積(政令)
指定状況
神奈川県:鎌倉市、逗子市
滋賀県:大津市
京都府:京都市
奈良県:奈良市、橿原市、桜井市、天理市、生駒郡斑鳩町、高市郡明日香村※
※明日香法に基づき明日香村全域で定められている第一種歴史的風土保存地区および第二種歴史的風土特別保存地区は、古都法の歴史的風土特別保存地区に相当します。
確認方法
歴史的風土特別保存地区は都市計画で定めるため、都市計画図等で確認が可能です。
歴史的風土特別保存地区は、現地に標識が設置されています。
その他
重要事項説明書の必要的記載事項ではありませんが、特別保存地区以外の歴史的風土保存地区内においては、歴史的風土の保存に影響を及ぼすおそれのある一定の行為は、府県知事への届出が必要です。