都市計画区域・準都市計画区域以外の区域での制限

概要

接道義務・用途制限・建ぺい率・容積率・斜線制限といった制限は、建築基準法の集団規定とよばれ、都市計画区域内・準都市計画区域内においてのみ適用されるのはご存知の通り。
しかし、のどかな漁師町では、接道義務がなく、小さな木造住宅の建築確認は常に不要かというと、実はそうではありません。

都市計画区域外・準都市計画区域外においても、集団規定と同様の制限を受ける区域があります。その区域は建築基準法の第6条(建築確認)の条文に規定されており、この区域においては、小規模木造住宅であっても建築確認が必要です。さらにこの区域においては、条例で接道義務や容積率などを定めることができます。
地方の別荘地の調査などにおいては、必ず確認すべき事項となります。

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北海道虻田郡豊浦町 建築基準法6条1項4号の区域

 

建築基準法第6条1項4号の区域

建築基準法6条1項4号の区域(都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域)とは、都市計画区域・準都市計画区域外の区域において定められる区域であり、10㎡を超える新築・増改築移転に当たっては、都市計画区域・準都市計画区域内と同様に建築確認が必要です。また、同区域内においては建築基準法第22条の屋根不燃区域の指定が併せて行われているケースが多いものと思われます。

 

建築基準法第68条の9の条例

建築基準法68条の9の条例とは、上記の6条1項4号の区域において指定され、接道義務や容積率を定めることができます。したがって、この条例がある場合、都市計画区域・準都市計画区域内と同様に、集団規定と同様の制限が生じています。

 

全体像

これに用途地域の指定の有無等を加えると、現行の都市計画法においては、日本の国土は下記のように分類されます。

日本の国土 都市計画区域 区域区分あり 市街化区域 必ず用途地域あり
市街化調整区域 原則用途地域なし※1
区域区分なし
(非線引都市計画区域)※
用途地域あり
用途地域なし
都市計画区域以外の区域 準都市計画区域 用地地域あり
用途地域なし
その他の区域 建築基準法
6条1項4号の区域
68条の9の条例あり
68条の9の条例なし
上記外

※1 ごくまれに市街化調整区域において用途地域が定められている場合があります。
※2 平成12年の都市計画法改正により、区域区分のない都市計画区域の通称が、「未線引き」から「非線引き」へと通称が変わりました。