壁面線の制限とは

壁面線の制限とは


横浜市中区元町

壁面線の制限とは

常識的にもそうなのですが、建築基準法では道路内に建築することはできないとされています。したがって道路と敷地との境界は、建物が越境してはならないラインとしての意味をもっています。

壁面線制度とは、道路境界ラインとは別に、建物が越境してはならないラインを別に定めるものと言えます。

上の写真は横浜市中区元町の写真です。市道境界とは別に建物が越境してはならない壁面線が定められていおり、歩道と敷地の一部が一体で舗装されています。

建築線と壁面線

壁面線の制限は、建築基準法の46条および47条に基づく制度であり、接道義務(43条)、道路内の建築制限(44条)、私道の変更または廃止の制限(45条)と同じ節にあり道路に関係する規定であることが分かります。また、壁面線の制限は建築基準法の前身である市街地建築物法(大正8年)においても「壁面位置の指定」として存在しています。

市街地建築物法では、現在の接道義務と同様に「建築線」に接してなければ建築できないとされておりました。「建築線」の指し示すところは市街地建築物法施行当初混乱がありましたが、ここでは単純に道路境界や予定道路との境界と理解していただいて差し支えありません。

そして、「建築線」の最も重要な意義は、この線より突出して建築物を建ててはならないということにあります。日本の家屋は軒や庇があるのが通常であり、建物の密集する都市部においては、道路空間の上空を恒常的に占用していたものと考えられます。市街地建築物法では道路境界からの建物の越境を禁じ、さらには敷地側に後退したラインで「壁面の位置」を別に定める場合があるとしているのです。道路境界よりさらに厳しい、建物が超えてはならない線というのが壁面線の本質なのです。

名前の似た別の制度

建築基準法47条に基づく「壁面線の制限」という制限は、名称の類似した他の制度が複数あり、多くの方が混乱する制限の一つといえるでしょう。

名称が類似している制限として、都市計画で決定する第一種・第二種低層住居専用地域における「外壁の後退距離」や、高度利用地区・特定街区・一部の地区整備計画において定められている「壁面の位置の制限」があります。また、風致地区条例にも同様の制限を定めることができます。

他の制度との比較

一般に、他の類似した制度との相違点として、壁面線は道路境界からのみの外壁後退と説明されています。それ自体は間違いではないのですが、壁面線の本質は、環境向上のためやむを得ない場合に特定行政庁が指定する、道路空間の敷地側への拡充であり、沿道の土地所有者等が大きな権利制限を受けることとなる行政処分なのです。

この点において、低層住宅の良好な居住環境のための「外壁の後退距離」や、大幅な容積緩和を前提として建物の位置を都市計画で決定する「壁面の位置の制限」とは、本質的に異なっています。したがって、壁面線は、道路が比較的狭くかつ繁華性の高い地域に指定されているケースが多く見受けられます。

重説記載事項

(壁面線による建築制限)
第47条  建築物の壁若しくはこれに代る柱又は高さ2mをこえる門若しくはへいは、壁面線を越えて建築することは出来ません。

容積率の緩和について

対面側を含めて壁面線の指定がある場合は、許可を得て壁面線間の距離を道路幅員として容積率の計算をすることができます。ただし、道路境界から壁面線部分については敷地面積に算入できないことから、容積緩和の効果は限定的となります。壁面線に面した建物を調査する場合は、過去の容積緩和の許可の有無、許可がある場合は現況に変化がないか確認することが重要です。また、斜線制限の例外認定(建築基準法施行令第131条の2第3項)についても同様です。

指定の確認できる地域等

当社では、下記の地域において、建築基準法46条に基づく壁面線の指定を確認しています。

札幌市南区真駒内
青森県八戸市7路線
金沢市片町1丁目地内
金沢市片町2丁目地内
金沢市木倉町地内および竪町地内
神奈川県相模原市内
横浜市中区元町
横浜市中区伊勢佐木町通り~宮川橋
横浜市中区蓬莱町、万代町~長者町の大通り公園両側
横浜市中区石川町
横浜市中区山下町 前田橋~南門通~中華街東門
横浜市港北区綱島西
和歌山県橋本市高野口町地内
島根県松江市千鳥町地内
長崎市浜町地内
那覇市港町2・3丁目地内
那覇市松山2丁目地内
那覇市牧志3丁目地内