借地権とは

借地権とは何なのか?

土地の上に建物が存在している場合、建物所有者はもちろん何らかの法律上の根拠を持っています。広く一般的には、建物の所有者は土地の所有者であることが多いでしょう。では、建物を所有するためには土地の所有権が常に必要なのでしょうか。

実は、我国の土地制度史などを紐解くと、古くから土地の所有権とは別の強い土地利用権の存在を確認することができます。所有権という概念はそもそも排他的・絶対的なものですが、我国においては一つの土地に二つの強い権利を認める土壌が歴史的に存在しています。土地の所有者側に有利な法律が制定されても、一方で土地を利用する側の権利を守る法律が徐々に整備されていく様子が見て取れます。

建物を所有するための借地権は、建物保護法や借地法の制定により法律上認められた権利として確立し、広く社会的に認識され現在に至っています。また、更新料等の負担があるとはいえ、旧法による借地権などは半永久的に土地の利用を継続することが可能です。もちろん、一般に建物に附随するかたちで売買の対象にもなっています。

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旧法借地権とは

現在、借地に関係する法律は、借地借家法(平成4年8月1日施行)に規定されています。この法律以前(平成4年7月31日以前)は、旧借地法が存在しており、新法施行前に締結された借地契約の更新については、旧借地法の規定が適用されることとなっています(借地借家法 附則6条)。したがって、現行法の普通借地より長い契約期間が維持されています。

このような借地権は一般に「旧法借地権」と呼ばれ、現在も広く存在しています。また、現行の借地借家法では建物の構造・躯体の材質による契約期間の規定が存在しませんが、旧法ではこれらの材質によって契約の存続期間が異なるため、既存の建物についても、大正時代に制定された旧借地法の考え方に則って、堅固な建物に該当するか否かを検討する必要があります。

旧法借地権の存続期間

 堅固・非堅固

旧借地法では、堅固建物として「石造、土蔵、煉瓦造」を掲げており、これらの構造は現在あまり見かけることはありません。もちろん解体に多大な費用を要する鉄筋コンクリート造は堅固な建物であり、旧来からの木造は非堅固になることは確実といえるでしょう。

鉄骨造の場合は、その鋼材の厚みにより軽量鉄骨と重量鉄骨に分類され、一般的には重量鉄骨造は堅固、軽量鉄骨造は非堅固建物と考えられています。しかし、鉄骨造は用途・工法が多様であり、建替え時などにおいては、その取扱いや考え方について慎重な検討が必要です。

なお、契約で堅固・非堅固を定めなかった場合は、非堅固として取り扱われます。

契約当初の存続期間

期間の定めがない場合 期間を定めた場合の法定最短期間
堅固建物  60年 堅固建物  30年以上
非堅固建物 30年 非堅固建物 20年以上
これより短い場合は無効となり期間の定めのないものとなる
期間内でも建物朽廃で借地契約終了 建物が朽廃しても借地権は存続(判例)

 

更新の場合の存続期間

期間の定めのない場合 期間を別に定める場合
堅固建物  30年 堅固建物  30年以上
非堅固建物 20年 非堅固建物 20年以上
建物が朽廃しても借地権は存続(判例)