地方公共団体の条例等による制限 2(接道)

接道について条例による制限の付加(東京都)

建築基準法第43条2項(特殊建築物等の接道義務の強化/集団規定)では、特殊建築物・3階建以上の建物、延べ面積が1,000㎡を超える建築物等の敷地について、条例で制限を付加できるとしています。
建築基準法の集団規定では、原則道路の幅員は4m以上であり、この道路に2m以上接しなければならないとされています。したがって、接道について制限が付加されるということは、この道路幅員と接道長さがより厳しくなっていることを意味します。不動産調査に当たってマンション用地を前提とした場合、問題となりうるものについて、東京都建築安全条例をもとに見ていきましょう。

大規模な建築物の接道長さ (安全条例第4条)

安全条例の4条では、第1項で用途にかかわらず大規模な建築物については、接道の長さを強化しています。この接道の長さは、通常の2mの接道と同様に、接道部分1か所での長さであり、路地状部分がある場合は、路地状部分の全域にわたって確保する必要があります。
さらに、第2項では3,000㎡を超えかつ高さ15mを超える建築物について、道路幅員についてはも6m以上とされています。また、この前面道路幅員については、対象地前面のみを開発許可等に伴い拡幅した場合(いわゆるへび玉道路)は、含まれないと考えられます。

延べ面積等 接道長さ 道路幅員
1,000㎡を超え、2,000㎡以下のもの 6m以上
2,000㎡を超え、3,000㎡以下のもの 8m以上
3,000㎡を超える 10m以上  -
3,000㎡を超え、高さ15m以上 10m以上 6m以上

 

特殊建築物の接する道路(安全条例第10条の2)

一定の特殊建築物については、その種類・規模に応じて接する道路の幅員が6m以上(8m以上)でなければならず、かつその道路に面して自動車の出入口を設置しなければなりません。
自動車車庫・自動車駐車場は、一定の特殊建築物に該当するため、付置義務駐車場により制限を受ける場合があります。

特殊建築物の接道長さ(安全条例第10条の3)

特殊建築物については、接道長さもより厳しい数値が設定されています。こちらも、2m接道の強化規定であるため、1か所で所定の長さを満たす必要があります。

特殊建築物の用途に供する部分の床面積の合計 接道長さ
500㎡以下のもの 4m以上
500㎡を超え、1,000㎡以下のもの 6m以上
1,000㎡を超え、2,000㎡以下のもの 8m以上
2,000㎡を超えるもの 10m以上